沈むように溶けていくように潮になじむ
今までとは違う感覚の高比重シンキングPEライン。風にも負けず、よく沈んで、感度良し。たった7cmのハゼの魚信も的確にとらえます。手返し良くキス釣り、メバリング、ハゼリング、フカセ釣りにもピッタリだと思います。今回はシマノのピットブルG5を須磨海岸で使ってみた感想です。
重いPEラインの必要性
軽いジグヘッドにワームをつけて総重量2gの仕掛けを投げてやると、PEラインの浮力で仕掛けがなかなか沈まない。
先日ハゼ釣りに行った時も、ハゼ用ルアーのダイワ ハゼイモラ2.5gがなかなか沈まず、じっくり待ちながら水深3mの底に到達するまで数十秒。テンポよい釣りができませんでした。
キスを釣りに行った時も、少し風が吹くとラインが流される。
重いメタルジグを投げているときは、それほど感じませんでしたが、最近軽量の仕掛けを使うようになり、PEラインの浮力が邪魔をすることに気づきました。
以前フカセ釣りをPEラインでやろうと思ったときは、ナイロンラインの比重1.14までとはいきませんが、DUELのアーマードS比重1.0を使ったことがあります。
普通のPEラインは比重が1.0よりも小さいので、水にしっくりなじむ感覚はありました。
高比重1.78のフロロカーボンを使えばよいのですが、リールに巻いてしばらくたつと巻き癖がつくので使いたくありません。
やはり、巻き癖が付きにくく、魚のバイトがビンビン伝わってくるPEラインが使いたい。
この問題を解決するために、比重が重いPEラインを探してみました。
重いPEラインって案外少ない
よつあみ、SUNLINE、ユニチカ、シマノで高比重ラインを発見したので、特徴を調べてみました。
よつあみ オードラゴンX4
比重は1.40、今回調査した中では一番比重が高いラインです。
特殊マイクロフッ素繊維をコアに、超高強度PEを先進のWX工法で高密度に4本角打ちで組み上げることにより、PE100%糸に対し直線強度を大きく落とすことなく、結束強度・耐磨耗性・耐切創性を大きく向上しました。 風に強く、擦れに強く、ボトムタッチがしやすく、バーチカルにおけるラインスラッグの低減といった特性が秀逸、正にアプローチイノベーション。 ラインカラーは単色マーキングシステムと5カラードをラインナップ。 ※オードラゴンはハイブリッドラインと言えども0.8号表記糸は日釣工釣糸標準規格の0.8号糸径で製紐しています。
出典:よつあみ
ユニチカ シルバースレッド アイキャッチPEⅡ
比重1.18、使ってもいいかな~と思いましたが、比重が若干ライトなんです。
低伸度で高感度のPEライン。
出典:ユニチカ
高比重1.18のサスペンドタイプで、風の影響を受けにくく、ボトムゲーム等の操作性に優れています。
ラインカラーは視認性が高い蛍光イエローです。
25m毎にパープルのマーキング付き。
シマノ ピットブル G5
比重1.30、高比重お手頃価格。自分が困っている問題点を解決してくれそうなラインです。
キャスト&リトリーブがメインとなるソルトウォーターフィッシングでは高比重PEラインのメリットは少ないと思われがちですが、実際には数多くのメリットが存在します。
出典:シマノ
特にピットブルG5の強風時や遠投時のラインスラックの出にくさは明確な武器となります。
ラインスラックが少ないことにより、イメージした通りのトレースコースを通すことができるのはもちろん、着水直後に無駄なラインスラックを巻き取る必要が無いため熱水直後のバイトを取ることや、ルアーを最初からスムーズに操作することが可能となりました。
シマノ ピットブル G5
ということで、シマノ ピットブル G5を買うことに、今回はアマゾンです。
ダイワ 21フリームスLT2500-XHに巻くので0.6号150mにしました。
2500番はPEラインが290m巻けるサイズなので、下巻きして巻き量を調整しました。
もちろん、第一精工のラインリサイクラー2を使いましたよ。
ラインはコーティングされていて0.6号ですが若干太いようにも思えました。
でも普通のPEライン0.6号を並べて比べてみると太さは変わらなかったです。当然ですね。
普段買っているラインのスプールとは違い、高級感があります。
なぜかハングル語が書かれてあります。
Googleレンズで翻訳してみると「プラスチック」と書いているみたいです。
やわらかめのこのスプール、ラインリサイクラーにしっかり固定できていい感じです。
PEラインが重いのは真ん中に高比重フッ素繊維を使っているからだそうです。
その周りにIZANAS(イザナス)繊維を4本巻いています。
IZANASは東洋紡の製品ですね。同じ重さならピアノ線の8倍の強さって、信じられないくらい強いんですね。
ちなみに、IZANASは比重が1以下で水に浮きます。高比重フッ素繊維の重さで沈むってことですね。
イザナス®は、優れた特性により、くらしを支える様々な分野で採用されています。
出典:東洋紡
イザナス®は超高分子量ポリエチレンを原料とした繊維です。有機繊維としては最高レベルの強度・弾性率を有します。(同じ重さで比較するとピアノ線の約8倍の強さをもっています)
たった直径10mmのイザナス®のロープでも、約20t(理論値)まで吊り下げることができます。
私が今回買った0.6号は比重1.30でした。
須磨でキス釣りに使ってみた感想
須磨でキス釣りに使ってみました。使ったオモリはタングステンバレットシンカー9gです。
巻き癖はつきにくい
PEラインの外側を樹脂で固めたような感じに見えるので、リールに巻いてしばらくたつと巻き癖がつくのかと思っていましたが、翌日の釣りではまったく癖などついてませんでした。
普通のPEラインと同じ感じです。
風に流されない
少し風が吹く中で投げてみて、まず最初に驚いたのはラインが流されないことでした。
普段使っているラインは軽いので、風が吹くと流されて着水地点まで弧を描き、糸ふけの状態となりますが、ピットブルG5はほぼ直線でした。
風の強さにもよるのでしょうが、違いは確実にわかります。
ラインがすぐに沈む
仕掛けが着水後、すぐにラインが仕掛けを追って海水の中に消えていきました。
普通のPEラインの場合、しばらくラインが海面に浮いた状態が続き、少し時間が経過した後で徐々に沈み始めますが、全く違います。
3gの虫ヘッドでも即座に海底に沈んでいきました。
普通のPEラインでなかなか沈まなかった2.5gのハゼイモラでもすんなり沈んでくれそうです。
高感度アタリがわかりやすい
かなり高感度です、わずか7cmのハゼのあたりをとらえました。
まさかとは思いましたがラインを巻いてみると頭がバレットシンカーと同じくらいのハゼの赤ちゃんがちゃんとついていました。
ラインの芯になっている高比重フッ素繊維が魚信を伝えているのでしょうか?
偏光サングラスで海底を見ると小さな魚たちがエサを突っついているのがよく見えます。
エサをついばむたびに、手元に魚信が伝わってくるのがよくわかりました。
ただし、劣化は早い
最初使っているうちはあまり気になりませんでしたが、20gくらいのメタルジグを使うようになると劣化が気になり始めました。
軽いジグの時は障害物にかかったりすることが少なかったのですが、少し重いジグを使うようになると、それなりに根係したり、根に擦れたりします。
そんな状況が続くと、ある日突然高切れしたりします。
クレハ シーガーPE X8を使っていると全く気になりませんでしたが、ピットブルG5を使うと差が出てしまいます。
ピットブルG5が活躍するのは、やはり軽いジグヘッドを使ってラインを沈ませたいときに使うのが最適だと思います。
まとめ
今のところデメリットはあまり感じません。
数あるメリットの中で一番良かったのは、沈むのが速いこと。
手返しのかなり良くなりました。20%くらいテンポが上がったように思います。
いままで5時間くらいかけて仕掛けを投げ込んだ回数が、4時間くらいでできてしまいそうな感覚でした。
メバリングですぐに浮いていたジグヘッドを一定のレンジでキープできそうです。
また、カーブフォールもきれいに弧を描いて沈められそうです。
あとは、使い込んでどれくらいで劣化するのか試してみるだけですね。
お手頃価格のピットブルG5、0.6号から2号まで選べますよ。
週末の釣りに是非どうぞ。